日時:11月29日(木)15:00〜 場所:東京大学生産技術研究所 As棟 As301 講師:高木 清二 先生(北海道大学 電子科学研究所 細胞機能素子分野) タイトル:真性粘菌変形体の収縮弛緩運動が示す多様な時空間パターン アブストラクト: 真性粘菌の変形体は巨大なアメーバ様の単細胞生物で、その細胞サイズは環境 が良いと数十cmから数メートルにまで及ぶ。変形体は細胞の至る所がアクトミオ シン系による収縮弛緩運動を行っている。この収縮弛緩リズムが細胞全体で秩序 だったパターンを形成する事により、効率よく原形質を輸送し、巨大細胞を一個 体として維持している。 我々はこの収縮弛緩運動のパターン形成過程を調べるため、寒天上を這う変形 体から少量の原形質を取り出し、適当な環境に放置してその運動を顕微鏡下で観 察した。この原形質の液滴は数時間後には再び移動し始め、一つの個体として振 る舞い始める。この秩序化過程において収縮弛緩運動の時空間パターンが、定在 波、時空カオス、回転ラセン波、同期パターンと発展することを発見した。各パ ターンの特徴、パターンの遷移過程やその生理機能について報告する。